なぜ体重管理にうるさいの?
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
妊娠中って、体重の管理が本当に大変ですよね。
特に妊娠後期に入ると、息を吸うだけで体重が増えるなんて言われるくらい、体重がどんどん増えてしまい、怒られる...なんてことも。
今日は体重管理のコツについてお伝えしていきます。
増えすぎも増えなさすぎもダメ?!
体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった妊娠に伴った病気になりやすくなります。妊娠糖尿病に関しては、もともと家系に糖尿病の方がいるとなりやすかったりもしますが、産後そのまま糖尿病に移行する方もいます。
また産道にも脂肪がついてしまい、お産の時に長く時間がかかる原因にもなります。
体重が増えなさすぎたり、もともとのBMIが18.5未満で「低体重(やせ)」に分類される方は、赤ちゃんが平均的な大きさまで成長しなかったり、低出生体重といって産まれてくる赤ちゃんの体重が小さすぎることもあります。
どれくらい増えるのがいいの?
では、どれくらいの増加を目指したら良いのかをお伝えしていきます。
体重の増えの目安は、妊娠前の体重から体格区分(=BMI)を計算し、BMIによって理想とされるkgが変わってきます。
BMIの計算式は以下の通りです。
(体重(kg))÷(身長(メートル)×身長(メートル))
体重が50kg、身長が150cmの方だと次のようになります。
50÷(1.50×1.50)=22.222222......つまり、BMIは22.2ということになります。
BMIの値によって、体格は以下のように分けられています。
18.5未満=やせ
18.5以上25.0未満=ふつう
25.0以上=肥満
そして、増える体重の目安は以下になります。
増加体重の目安ですが、2021年3月に厚生労働省より改訂されています!
以前より多めに増えても大丈夫となりました。
やせの方=12~15kg
ふつうの方=10~13kg
肥満の方でBMIが25~30の方=7~10kg
肥満の方でBMIが30以上の方=上限5kgを目安に個別対応
ご自身のBMIを計算してみて、どれくらい増えてもいいのかの目安にしてみてくださいね。
体重管理のコツについても今後書いていきたいと思いますので、そちらも参考にしてみてください♪
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
新生児の反射~前編~
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
新生児と一緒にいて、赤ちゃんの反射にびっくりされるママも多いので、赤ちゃんの反射について今日は書いていきます。
反射とは?
反射とは、刺激に対して無意識に、機械的におこる身体の局所な反応のことを言います。
新生児の体に起こる反射は「原始反射」と呼ばれていて、お腹の外に出て生活するときに必要な機能です。
原始反射は、健康な赤ちゃんの場合お腹にいる頃から起き始め、脳の発達とともに消失していきます。(消失の時期は目安であり、個人差があります。発達が不安なときは、かかりつけの病院や保健師さんに相談しましょう。)
モロー反射
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
仰向けに寝ている赤ちゃんの頭を30度ほど持ち上げ、そのまま後頭部を打たないように手を添えて頭を落下させると、両腕を外側に伸ばしたあと、何かにしがみつくようなしぐさをするので、「抱きつき反射」とも呼ばれる反射です。
外からの刺激に対ししがみつくことで危険を知らせたり、自分の身を護っているといわれています。
3~4カ月頃に起こらなくなり、消失すると首が座ると言われています。
手掌把握反射(しゅしょうはあくはんしゃ)
産まれてすぐの赤ちゃんに、指をギューッと握られた経験はありませんか?
実はこれ、反射のひとつなんです。
細長いものが掌に触れた時、ぎゅっと握る反射です。
3~4カ月頃を目安にこの反射は起こらなくなり、消失すると物がつかめるようになります。
足底把握反射(そくていはあくはんしゃ)
赤ちゃんの足の裏の親指の下、膨らんでいるところを押すと、足の指5本が内側に曲がる反射です。
この反射は割と長い期間みられ、9~10カ月頃まで続きます。
これが消失すると、すぐではないですがそろそろ歩き始める頃です。
非対称性緊張性頸反射(ひたいしょうせいきんちょうせいけいはんしゃ)
長くてむずかしい名前の反射で、名前からあまりピンときませんね…
この反射は、赤ちゃんを仰向けに寝かせて顔をどちらかにむけると、顔を向けた側の手足がぐっと伸び、後頭部側の手足は曲がるという反射です。
生後4カ月ころに起こらなくなり、消失すると寝返りが打てるようになります。
反射はたくさんありますが、今日はここまでにします。
後編に続きます!
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
お産が怖いあなたへ~破水編~
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
今日は、破水についてお話していきます。
破水とは?
赤ちゃんはママの子宮の中で、薄い膜に包まれています。
赤ちゃんを包んでいる膜が破れて羊水が漏れ出ることを破水と言います。
この膜の中は無菌状態(=菌がいない状態)になっています。
破水をすると赤ちゃんを包む膜が破れ、常在菌がいる膣と交通することにより、子宮の中や赤ちゃんにも感染がつくことがあります。
こういった感染を防ぐために、抗菌薬を使ってばい菌がつかないようにしましょうというルールが定められており、病院によって点滴をしたり飲み薬を飲んでもらったりしています。
破水っていつするの?
破水は、適時破水と非適時破水に分けられます。
適時破水というのは、子宮口が全開(=10cm)まで開くころに破水することを言います。
非適時破水というのは
・陣痛が来る前に破水する前期破水
・陣痛が来てから子宮口が8~9cm開くまでの間に破水する早期破水
・子宮口が全開して赤ちゃんの頭が骨盤の中に深く侵入してもまだ破水していない遅滞破水
に分けられます。
陣痛が来る前に破水するときもあれば、陣痛がきてお産が進んでいる途中に破水することもあるんですね。
破水したらどんな感じ?
破水の種類は二種類あって、子宮口の近くで破水することと、子宮口より高い位置で破水する高位破水があります。
子宮口の近くで破水すると、膣にそのままつながっている場所なので羊水がジャバジャバと出ることが多いです。(もともと羊水の量が少ない方はあまり出ないこともあります。)
それに対して子宮口より高い位置で破水する高位破水では、ちょろちょろと流れる程度であり、「あれ、尿漏れかな?」と判断に迷うことがあります。
羊水って何色?
羊水は、黄色がかった透明な色をしているのが正常です。
妊娠の後期になると赤ちゃんの皮膚や体についた胎脂(赤ちゃんの皮膚をまもる脂のことです)が剥がれおちて、乳白色に見えるようになります。
子宮口が開いてくるときに、赤ちゃんを包んでいる膜と子宮口の間にズレが生じるときに出血することがあり(一般的にこれはおしるしと言われる出血です)、この出血が混じってピンク色に見える時もあります。
赤ちゃんが産まれてから胎盤が剥がれてくるのが正常ですが、まれに赤ちゃんが産まれる前に先に胎盤が剥がれてしまうときがあり、その際には血性羊水といって血の混じった羊水が出てきますので注意が必要です。
赤ちゃんがお腹の中で十分な酸素を取り込めず苦しくなってしまうと、お腹の中で便を出すのですが、この便が混じると羊水は緑色になります。
緑色の羊水がナプキンについていた場合には赤ちゃんが苦しい時がありますので、すぐに教えてもらっています。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
帝王切開を控えたあなたへ。~入院編~
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
今回は予定帝王切開で出産される方に、入院当日の流れをお伝えします。
病院によっては違いもあるかとは思いますので、詳しくはお産される予定の施設の方にご質問くださいね♪
病院に到着!まずは院内のご案内
※一般的な順番で並べて書いていきますが、病院のルールによっては前後することもあります。
まずは入院する病棟を見ていただくことが多いです。
お部屋の設備、共用のお手洗いや洗面、シャワールーム。
自動販売機やウォーターサーバー、震災や火事などの時の非常口について説明しています。
院内のルール(面会時間や差し入れの受け渡し、消灯時間など)についても一緒にお伝えしていきます。
体温、血圧測定
体の様子を確認するためにお熱と血圧を計測します。
今は新型コロナウイルスの影響で、検温を先にしてから病棟内に案内されるところも多いかもしれません。
NSTモニター装着
NSTというのは、ノン・ストレス・テストの略称です。
赤ちゃんにストレスのない(=陣痛がきていない)状態で、赤ちゃんが元気にしているかを見ます。
赤ちゃんが元気か、お腹が張っていないかをNSTモニターを装着して観察していきます。
赤ちゃんに元気なサインが見られなかったり苦しいサインがあったときや、お腹が頻繁に張っていて陣痛になってしまいそうなときには、帝王切開が早まる方もいます。
麻酔科の先生とお話
こちらは病院によってはないところもあります。
帝王切開の麻酔は、腰から下のみの感覚がなくなる麻酔を背中から入れるのが一般的です。
背骨や腰の部分に何か持病があって麻酔が入りにくかったりしないか、今まで麻酔で使用したお薬で気分が悪くなったことがないかなどを確認していきます。
手術室の看護師さんとお話
続いて、手術室の看護師さんが『術前訪問』というのをしてくれる病院もあります。
帝王切開が初めての手術で緊張される方も多いですし、慣れない環境にどうしてもドキドキしてしまいますよね。
一般的には帝王切開に入る予定の看護師さんが自己紹介に来てくれることが多いです。
病院によっては、好きな香りのアロマを焚いたり好きな音楽をかけてくれるところもありますので、ご希望を伺っています。
また帝王切開にむけて不安なこと、心配なことを手術室の看護師さんにも伝えておくことができるというメリットもあります。
お食事ストップの時間といんすいストップの時間について説明
麻酔の影響で吐き気がする方がおり、吐いてしまったものが気管に入ってむせ返ってしまったり、ひどい場合には『誤嚥性肺炎』という肺炎を引き起こすことがあります。
そのようなことを防ぐために、帝王切開の前には食事やお水を一定時間とらずにお産に臨むことになります。
手術室に入る時間によって、食事やお水ストップになる時間が変わってきますので、お時間をお伝えしています。
さらに、その時間になると「お水はこのあと飲まないでね~」とお伝えに伺うことが多いです。
一般的な流れはこのような感じです。
先ほどもお伝えしたとおり、施設によって順番が前後したり、上記の内容すべてが行われるわけではございませんので、ご自身がお産される施設に確認してみてくださいね。
次回の帝王切開編では、お産当日の流れについてお伝えしていきます。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
おっぱいがでない?!
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
今日は産後すぐの、おっぱいのお話をしていきたいと思います。
産後、同室してママたちが思うことNo1!!!質問される回数もNo1!!!の、「産後すぐ、おっぱいが出ない」「出ないのに吸わせて赤ちゃんかわいそう…」というお悩みについて書いていきます!
産後すぐ、おっぱい出ないのって普通?
答えから言いますと、「正常です」!
産後すぐ、ジャバジャバと母乳が出る方はいらっしゃいません。たぶん全人類において、産後すぐから出る人はいないと思います。(体や脳の仕組み的に。)
なので、産後1~2日目で「母乳が出ない」と悩まないでくださいね。
そもそもどうやって母乳が出るようになるのか
では、母乳ってどうやって作られて出るようになるのかという仕組みをお話します。
ここがピンときたら、産後すぐに母乳が出ないと落ち込む方が少し減るのではないかなと思っています。
ホルモンのお話になり少しわかりにくいと思うのでできるだけ簡単にお伝えしていきます。
妊娠中、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンの作用で、乳房や乳腺が発達しますが、母乳の分泌は抑えられています。この2つのホルモンは胎盤から生成されています。
このエストロゲンとプロゲステロン、赤ちゃんが生まれて胎盤が剥がれることで生成されなくなります。そうすると、母乳の分泌を抑える作用がなくなります。
妊娠中には出ないおっぱいが産後に出るのはこのためです。
さらに産後はプロラクチンというおっぱいを作るホルモンが主体となり、母乳が作られ始めます。さらにオキシトシンというホルモンが、母乳を溜める乳管という入れ物の中に母乳を放出します。
これらのプロラクチンとオキシトシンというホルモンが母乳を作るのに大切な役割を果たしてくれているわけですが、これらのホルモンは赤ちゃんがおっぱいを吸うという乳首への刺激によって分泌がupすることがわかっています。
母乳は、吸わないと作られない
ここまでお伝えしてきたように、母乳というのは胎盤が剥がれて、かつ赤ちゃんがおっぱいを吸ってくれる刺激があることによって作られ始めます。
産後すぐのママさんから、「出ていないのに吸わせて意味があるんでしょうか?」とよく聞かれるのですが、吸わせないと出ないよー!!!!!!!と、お伝えしています。
乳首の形が赤ちゃんにとって吸うのが難しい形の方もいらっしゃいます。
そういう方は乳輪や乳首をマッサージする刺激でも、脳は十分刺激として「おっぱい作ってくださーい!」というホルモンを出してくれますので、なかなか吸わせるのが難しかったり、事情があって直接おっぱいができないという方は、しっかりマッサージをしていきましょう。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
助産師の私ってこんな人★お仕事編★
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
今日は私がどんな助産師になりたいか書いてみたいと思います。
助産師を目指し始めたお話はこちらから↓
助産師として働き出してから、様々なお母さんや赤ちゃんと関わる機会をたくさんいただきました。
忙しすぎる個人病院、ハイリスクケアをする総合病院と働く中で、「つらい、続けられる気がしない…」と思うことも多々ありました苦笑
でね、ついついネットで『助産師』って検索しちゃうんですよ。なんでかね、世間からみた助産師ってどんな感じなのかしら?って気になっちゃって。笑
なにせ周りは看護師や助産師がとっても多くて、話もあうのでついつい仕事仲間や大学や大学院の同期とつるんでいる時間が長いんですよね。
で、ふと、私たちってどんなふうに見えてるんだ?って気になる時があって。
調べると、こういうネット上での発言をよく見るんです。あくまで例ですが。
「お産のときの助産師最悪だった」
「産後つらかったのに、助産師なにもしてくれなかった」
「二度とあの助産師の顔も見たくない」
…なるほどなるほど。
幸い私が出会った助産師の中には、上のように思われるようなことをする方は本当にごくごく少数しかいません。0ではないのが残念なんですけれどね。
それは私たち個人の合う合わないということではなく、客観的にみて「今辛い思いをしている人に対してそれはないだろう」というような方です。正直ね、いますよね。
私は助産師という仕事をするにあたって、「この方にとったら最初で最後の出産・育児かも。ひとりの女性が出産する人数も減ってきているし、そんな貴重な場にいさせていただけるのだから、しっかり向き合おう」と心に誓っていて、何年やってもこの思いが一番にあるのです。
自分がここにいて関わらせてもらえることは、当たり前じゃない。そして、目の前の今まさに出産しようとしている、産後すぐで入院している、乳腺炎になって困っている、そんな患者さんが頼れるのは私たちしかいない。だから、ひとりひとりを大切に、全力で自分のできることをやろう。そう思っています。
上に挙げた発言をされたママさんたちのことを思うと、胸が痛みます。
出産、産後という人生でとても大きなイベントで、一番寄り添って助けてほしかった人がそうしてくれなかった。そういう絶望感や苦しみを抱えてこれから育児していくのはどんな気持ちだろう。
もうね、代わりに謝罪したいし、なんならベビーシッターでもおっぱいマッサージでもなんでもするから…どうかどうか、助産師の記憶上書きさせて…とさえ思ってしまう。
それくらい、そんな同業者には、がっかりしてしまいます。
私たちもロボットではないから、喜怒哀楽があったり、ママさんたちと同じく女性なのでね、ホルモンバランスの関係でどうしても精神的に落ち込んだりイライラしやすかったりするときもあるんだけれど、そこはプロなので隠してやってほしい。患者さんに自分の感情丸出しは、プロとしてどうなんだい…ってね。
どんな思いで助産師のお仕事をしていても、ママさんを傷つけるようなことだけはしてほしくないなぁっていつも思っています。
あとこの業界、「おっぱいがこの世で一番派」「自然派」「スピリチュアル派」などなどいろいろな方がいます。
良くも悪くもクセが強いんじゃ!!!という同業者、多い苦笑
私自身、どちらでもないタイプで…というのも、私たちはその子を育てていくわけではないので、ひとりひとりのお母さんにとって一番の味方でありたい!!!!!!!!
これに尽きます。
おっぱい(=母乳)のメリットは、もちろんわかってる。おっぱいのケアをするのは好きなんです。もっと学びを深めたい分野ではあるけど、いわゆる「おっぱい教」に、たぶん私はならないんだろうなぁと。
最近のミルクだってすごいよ?どっちで育てても赤ちゃんはしっかり育つから大丈夫よ!!って思うわけですよ。
昔は陣痛促進剤なんてなかったんだから、そんなことしなくても産めるはずだって聞くと、そりゃ昔はね!生活も食べ物も体型も昔と違うし!促進剤使用しないで結局丸3日とかかかって、大量出血して命の危機、産後はフラッフラになって育児どころじゃない…って考えたら、お薬は使用すべき時には使ったらよくない?!ってね、思っちゃうんだよなあ。苦笑
自然に…がもちろん理想だけど、そうもいかないときあるよね~少し陣痛つけてあげたらお産になりそうだから、最後お薬の力借りて頑張ろう~!というスタンス。
栄養バランスのいい食事はたしかに理想だけど、疲れて疲れてもう無理でお弁当とかお惣菜も使うし、時々○クドナルドとか○ンタッキーとか暴食したくなるし昼間っからお酒飲みたい日だってある。こんな私なので、「一汁三菜!まごわやさしい を意識して取り入れて!」なんて、言えない。苦笑
そんなちょっとだけ適当な、何派でもない私ですが、ママと赤ちゃんの味方でありたいという気持ちは誰にも負けないでいたいなぁと日々思っています。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
お産がこわいあなたへ~前駆陣痛編~
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
今回は前駆陣痛について書いていきます。
前駆陣痛
前駆陣痛とは、「おなかが張って痛いけど、間隔が不規則だったり痛みの強さがまちまち」という状態のことを言います。
お産が近くなってくると、お腹の張る回数も増えて痛みを伴うようになってきます。
前回の記事でお伝えしたように、「おなかが張って痛い状態が10分ごとに規則的に繰り返される」という状態が続いたときを陣痛のスタートとします。
前回の記事はこちら↓
本陣痛と前駆陣痛の違いは、「陣痛がくる間隔が規則的に10分をきってくるか」と「毎回同じくらいの張りの強さと痛みがあるか?」という点です。
前駆陣痛は、5分だったり7分だったり、かと思えば15分あいたり…と、不規則におなかが張ります。人によっては前駆陣痛でも結構痛かったという方もいます。
陣痛がくることで、子宮口(赤ちゃんの出てくる出口)が少しずつ軟らかくなりながら開いてくるのですが、前駆陣痛ではなかなか子宮口は開いてこないか、開いても1~2cmくらいである場合が大半という印象です。
本陣痛が来たときに子宮口がしっかり開けるように、前駆陣痛は子宮口を柔らかくしてくれる働きをしてくれていることが多いです。
子宮口が軟らかい、とは
先ほどから子宮口の軟らかさについてお話していますが、「子宮口が軟らかい」ってどういうこと??と思う方もいると思います。
妊娠してからお産が近くなるまで、子宮口は硬く、閉じています。硬さはどれくらいかというと、鼻の頭をギュッとつまんだ時くらいの硬さです、
お産のときに、かたーく閉じたままだと子宮口が開けず=赤ちゃんが出てくる出口が開かないので、陣痛の作用で子宮口はだんだん軟らかくなっていきます。
4~5cmまで開くときには、だいたい唇くらいの硬さ。鼻の頭よりは軟らかいですね。
全部開く10cmの頃には、耳たぶくらいまで軟らかくなります。
前駆陣痛がきたらどうしたらいいの?
では、前駆陣痛がきたらどのように過ごすかお伝えします。
前駆陣痛は本格的な陣痛の予行演習のようなものです。
陣痛の間隔を計ってみて、不規則な間隔で痛みの強さも強弱があるときには、前駆陣痛かしら?と思って慌てず行動しましょう。
痛みがきたら、ゆっくり大きく深呼吸を。赤ちゃんに酸素をたくさん届けてあげるイメージです。このとき、吸い過ぎると苦しくなってしまいます。
息をすべて吐くことに意識を向けましょう。息を吐ききると自然に次の吸うという動作につながります。
痛みがおさまったら、普通の呼吸に戻します。これを繰り返します。
温めると楽という方も多いので、お腹や腰に湯たんぽをあてたりカイロを貼ってみるのもおすすめです。カイロを使う方は、直接貼ると低温やけどの可能性があるので必ず腹巻や服の上から貼るようにしてくださいね。
破水していなければ、お風呂に入って体を温めましょう。
前駆陣痛からそのまま本陣痛に移行する方もいれば、前駆陣痛が3~4日続いたという方もいます。
夜中にお腹が張ることが多いのでどうしても寝不足になりがちですが、本陣痛と来るお産に備え、できる限り体を休めてくださいね。
好きなアロマを焚いてリラックスしたり、楽に過ごせる姿勢を探してみてください。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。