お産がこわいあなたへ~陣痛って何?編~
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
今日はお産編を書いてみたいと思います。
「人生で一番痛かった!」「鼻からスイカ」なんて聞くと、どんな痛さなのか想像して恐ろしくなってしまう方も多いかと思います。
そんな方たちのために、お産編スタートします。
お産とは?
そもそも分娩(お産)とは、『赤ちゃんと胎盤が、陣痛といきみによって産道を通ってお母さんのおなかの外に出される一連の現象』のことを言います。
お産のスタートは「陣痛がはじまった時間」、お産の終わりは「胎盤が出た時間」を指します。
「分娩所要時間」といってお産に何時間かかったかという計算をするときは、陣痛のスタートから胎盤が出るまでの時間を計算する決まりになっています。
陣痛のスタートとは?
陣痛はこういうものですよ、という定義が存在します。
陣痛とは、「お産のときに周期的に反復して起こる子宮筋の収縮」をいいます。
陣痛が開始したという判断は、「おなかが張って毎回痛いというのが10分おきにくること」というところでしています。
おなかが張って痛いけれど10分以上あくときや、痛みの強さや張りの強さに明らかに強弱がある時には「前駆陣痛」と判断されます。
陣痛のはかり方
先ほどからお伝えしている10分間隔ですが、『どこからどこまでが10分なのか?』と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
ここでは陣痛の計り方をお伝えしていきます。
陣痛がくると、一定の間隔でおなかが張って痛みを感じます。張りが引くとともに痛みも消えていくというのを、赤ちゃんが産まれてくるまで繰り返します。
「おなかが張って痛くなってきたところ」でスタートし、張りと痛みが引くのを待ちます。そして次に「おなかが張って痛くなってきたところ」でストップ。
つまり、陣痛の間隔は「痛みと痛みの間が何分あるか」で計っています。
今は陣痛の間隔を計ってくれるアプリというものも存在しますので、アプリを使用するのも手軽でいいかと思います★
次の回では、前駆陣痛と本陣痛のちがい、微弱陣痛について書いてみようと思います。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
助産師の私ってこんな人★プライベート編★
今日は自己紹介プライベート編をしてみます!
新生児、意外と寝ない?!
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
今日は赤ちゃんのお話をしますね。
「新生児、寝るって聞いてたのにぜんっぜん寝ないんです・・・」と困っている産後のお母さんを結構お見かけします。
お産で体もぼろぼろ、おっぱい飲んだら寝るって聞いてたのに寝ない赤ちゃん、なんか思ってたのと違う....とならないために、産まれてすぐの時期の赤ちゃんのねんねについてまとめていきたいと思います。
生まれたての赤ちゃん、どんな睡眠サイクルなの?
まずは生まれたての赤ちゃんの睡眠サイクルについて見ていきましょう。
産まれてすぐ~生後24時間くらいまでは眠っている赤ちゃんが多いです。
「おなかすかないの?」と心配になるほど、起こしても起きない子もいます。
この時期におっぱいやミルクを飲まなくても大丈夫なのかという疑問ですが、赤ちゃんはママのお腹に入っている間に、ある程度のエネルギーや水分を蓄えて産まれてくるんです。
「3日分のお弁当と水筒を持って産まれてくる」って聞いたことありませんか?
お母さんのおっぱいが作られ、量が出始める3日目くらいまではもらえるエネルギーや水分が少なくても耐えられるように備えて産まれてきているんです。賢いですね。
そんな良く眠っている赤ちゃんですが、生後24時間くらいから生まれたことに気が付いて(かわいい)、お腹がすいてきます。だんだんと泣き声も大きくなってきます。
赤ちゃんは胃の大きさがとても小さく、産まれたときの胃の容量はビー玉1個分の大きさ(!!)、生後1日目でさくらんぼくらい(5cc~7ccくらい=小さじ1杯くらい)、生後2~3日目でくるみぐらい(22~27ccくらい=大さじ2杯くらいです)と、一回に胃に入れられる量がとーっても少ないです。
産後、「3時間おきに授乳してね~」と言われることが多いと思うのですが、胃が小さく一度にたくさん摂取できないので、回数で稼ぎましょうねということなんですね。
つまり3時間おきくらいに空腹がやってきて、3~4時間ごとに泣くわけです。
ただしママの流れとしては、赤ちゃん起きる→おむつ替える→おっぱいあげる準備→左右10分ずつあげる→(ミルク作る)→(ミルクあげる)→げっぷさせる→吐く→着替える→おむつ替える→寝かしつける→やっと寝る・・・・までが1時間くらいかかる。
そこから哺乳瓶洗って消毒につけたり自分のお手洗いや水分補給なんかしているとあっという間に次の授乳時間がやってくるんですよね。
(これが「新生児寝ない…」の正体だと私は思っています。)
なぜ夜中に泣くのか?
産まれてすぐの赤ちゃんって夜中に泣きませんか?
夜ほどママも眠くて辛いのに、なぜか毎晩夜中に泣く赤ちゃん。
なぜ・・・・と思う方も多いと思います。これにはきちんと理由があります。
プロラクチンというおっぱいを作ってくれるホルモンがあるのですが、これ、夜になるとたくさん分泌されるんですね。
赤ちゃんってなんでも知ってるので、本能で「今吸ったらおっぱいが作られるホルモンが出るぞ!」とわかっているのではないかと言われています。頭いいんですよね~。
とはいえずっと寝不足になるとママも辛いので、わりと寝てくれる昼間にしっかり横になって休みましょう。
そんなことでも泣くの?!
赤ちゃんの泣きにはいろいろと理由があります。
・おなかがすいたよ
・眠いよ(眠いなら寝たらいいよ!!!っていうツッコミ、ママあるある)
・おむつ汚れたよ
・服にシワができていて気持ち悪いよ
・お部屋が暑いor寒いよ
・抱っこしておくれ~
・特に理由はないけどなんか泣きたい!なんか不安だからママと触れ合っていたい!
など。
おむつ綺麗、お腹も満たされている、お洋服もピッとのばしてお部屋の温度もちょうどいい。赤ちゃんもお熱はないし、かといって体温が低くもない。
というときは、抱っこしてとんとんしてあげるとあら不思議、おとなしくなります。
抱っこしてほしいだけかーい!となりますが、かわいいものです。
おうちに帰って上のお子さんがいたり、家事をしたいときにはちょっとつらい時もあるかと思いますが、この時期って本当に一瞬で過ぎ去ってしまってあとからなかなか思い出せないんですよね。
今しかできない横抱っこやスキンシップ、たくさん楽しんでほしいなと思います。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
なぜ助産師になりたいと思ったか
私が助産師を目指し始めたのは、知り合いの開業助産師さんに憧れたことがきっかけでした。
温厚でいつもニコニコしている父と、礼儀や学業に厳しい母のもとに長女として生まれ、5歳の時に弟が誕生。
中学生になるとそれなりの思春期、反抗期を迎え…
とにかく母が厳しく、「勉強しなさい」「門限17時!(過ぎたらチェーンかかってました。泣いて謝ったらすぐに入れてもらえましたが。笑)」などなど…
今となってはきちんと育ててもらって、やりたいと言った習い事もすべてさせてくれたし、行きたい学校にも行かせてもらって感謝しかないのですが、当時はそうは思えなかったのです。
なんでうちだけこんな厳しいんだろう…うざい…って思ってました(お母さんごめんね)
そんな私を見て、母の知り合いの助産師さんが、命が誕生する奇跡、お母さんの体に起こる変化、どのお母さんも命がけで赤ちゃんを生んでいることをお話してくれたんですね。
そこから母に対する反抗心は少しずつ薄れていったわけです。少しずつ、でしたけど。笑
そのお話を聞いた時に、命が誕生する瞬間に立ち会える仕事ってすごすぎる…家族じゃない立場から、「あなたが生まれた時、あなたのお母さんは、あなたのお父さんは、おじいちゃんおばあちゃんは、こうだったんだよ。」って言えるってすごいことじゃないか?と思ったのがきっかけでした。
いじめとか、自ら命を経ってしまう方の増加とか、望まない妊娠による虐待とか、全部大切ないのちの話で、助産師として生命の誕生に関わることで、もしかしたらこんな自分でも誰かを救えるかもしれない…そういう仕事がしたい!と思ったことがきっかけです。
あとは弟と年齢が離れているのもあって、弟が生まれた日のことや小さかった弟の面倒を見ていた時のことをとってもよく覚えていたんですよね。
弟の友達が集まったときなんか、小さい子どもに囲まれて幸せでした。
子どもに関われる仕事がしたかったというのもあります。
もうひとつの大きな理由は、あまり人と同じことをしたくないタイプだったんですよね。笑
看護師は日本全国に114万人(2018年度)に対して、助産師は3万5000人(2018年度)。圧倒的に少ないんですよね。これもいろいろ問題があって、そもそも看護学校は専門から大学まで多数あるのに、助産師養成学校は本当に少ない。
そんな中で助産師になれたら、かっこいいかも。というのも目指し始めたきっかけでした。(前半の動機に比べてやや不純な動機ですいません。)
助産師を目指し始めたのが中学2年。
そこから高校を卒業し、大学4年間で看護師と保健師の資格を取得。
当時大学では保健師課程も必須でした。今は選択制で希望者のみが取れるようになっているようです。
さらにそこから大学院に進学し、助産師の資格を取得しました。
目指し始めてから助産師として働き出すまで、10年かかりました。
長年憧れていただけに理想が高く、現場に出たときの葛藤やこんなはずじゃなかった…と思うこともたくさんありましたが(それは今もある)、それはまたの機会に。
お産の多い個人病院と周産期センターのある総合病院で働いてみて、私が思うことはただひとつ。
「すべての女性が、ママが、赤ちゃんが、幸せでいてほしい」
これに尽きます。
色々なお産に立ち会わせてもらいました。
幸せなお産ばかりではないという現実にも向き合う中で、改めて、生命が誕生することの奇跡を実感しました。
泣く泣く赤ちゃんを諦めた人、ある日妊婦健診に来たらお腹の中の赤ちゃんがなくなっていた人、望まない妊娠で赤ちゃんを手放す決意をした人、なかなか授からず長年治療をしている人、子宮の病気で子宮を摘出する選択をした人。
本当にたくさんの人に関わらせてもらい、一緒にたくさん考え、悩み、時に患者さんと一緒になって泣きながら、働いてきました。
自分がこれから助産師としてやりたいことってなんだろうと考えたときに、こうやってブログで自分の持っている知識を書き留めておくことで、救われる人がいるかもしれない。誰かの目に留まり、少しでも支えになれるかもしれない。
そんな思いで始めたのがこのブログでした。
ちょっと話がそれてしまったので、今度はこれからどんな助産師になりたいか書いてみようかな。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
つわり、いつまで続くのか問題
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
つわりの症状
・胸焼け、吐き気
・嘔吐
・頭痛
・食べていないと気持ち悪い
・乗り物酔いしやすい
・携帯やパソコンを見ると酔う
・お風呂の湯気や蒸気で気持ち悪くなる
など。一日中船酔いしている感じと表現される方もいますね。
つわりがいつまで続くのか、そもそもつわりってなんでなるの?!について書いていきます。
そんなことはいいから、つわり対策教えて!って方はこちらの記事を参考にしてみてください♪
つわり、いつまで続くの?
これ、皆さん一回は調べたことがあるんじゃないでしょうか。
助産師仲間でさえ、妊娠したらネットで調べてしまうワードNo.1です(私調べ)
一般的にはつわりの開始は妊娠4週~(妊娠2か月頃)。
ピークは妊娠8週~(妊娠3か月頃)。
おさまってくるのは胎盤が完成する妊娠12~16週頃(妊娠4か月頃)と言われています。
中には出産までつわりが続く方がいたり、妊娠後期に入るとお腹が大きくなって胃が圧迫されることで胸やけや吐き気がする方もいますので、一般的にはこれくらいでおさまるという目安にはなってしまうのですが・・・。
妊娠期の細かい週数、月数の見方についてはこちらの記事をチェック!!
そもそもつわりって、なんなのか
実は、つわりの詳しい原因ってまだはっきりわかっていないんです。
マグネシウムの不足や血糖の変化、ビタミン類の不足などではないかということがわかってきたところです。
またホルモンの変化で体が変化することや、精神的な要因もあるとも言われています。
少しでもつわりの時期を快適に過ごせるよう、対処法についてまとめてありますので、こちらの記事もチェックしてみてくださいね♪
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
つわりの時期を快適に過ごそう
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
この記事ではつわりへの対処について書いてみますね。
目次のクリックで、知りたい項目に飛ぶことができます。
朝気持ち悪くなる
つわりって、英語で「Morning Sickness」っていうらしいです。
朝に気分が悪くなる方も多いんですよね。
どうやら夜間寝ている間に血糖が下がることが原因のようです。
朝寝起きが気持ち悪いという方は、寝る前に枕元に軽くつまめるおにぎりやビスケット、クッキーなどを置いておき、お布団の中で食べてから動き始めると少し楽かもしれません。(おにぎりは、夏や梅雨時など食中毒に注意してください。)
お布団の中で食べるなんてお行儀悪い...と思うかもしれませんが、つわりがおさまるまでの間!!と思いましょう。
歯磨きが気持ち悪い
歯磨きするとオエッとなる方。
つわりで歯磨きがどうしてもつらいときは、口をゆすぐだけでもいいので、お口の中を綺麗にしましょう。
妊娠すると唾液が酸性に傾き、虫歯になりやすくなります。
またホルモンバランスの変化から妊娠性の歯肉炎も起こしやすくなると言われています。
つわりがおさまってきたら、しっかり歯磨きをしましょうね。
妊娠中の歯のトラブルは早産につながりやすいとも言われています。
できるケアからしていきましょう。
また、つわりがおさまったら歯科健診を受けましょう。
妊娠中、歯科健診は1回無料で受けられます。
(※自治体によって、保健センターで受けるところもあれば、提携の歯医者さんで受けて助成券を使用という形のところもあります。)
歯医者さんで受けるときには、「妊娠中であること」「健診を受けたいこと」を伝えて、母子手帳を出してくださいね。
母子手帳には、歯の記録を歯医者さんに記入してもらう欄もありますので見てみてください♪
とにかく眠い
ママの体の中でひとりの人間である赤ちゃんや胎盤が作られはじめ、体内のホルモンバランスも大きく崩れます。
とくにプロゲステロンという妊娠を継続させるホルモンには、眠気を誘う作用があります。
集中力が切れやすかったり、だるく眠いという状態が続く方も。
無理をせず、体が辛いなと思う時には横になって休みましょう。車の運転なども、できるだけ避けられると安心です。
頭痛がつらい
頭部を冷やすことで楽になる方も多いので、横になって頭を冷やしてみると気持ちよく過ごせます。
赤ちゃんへの影響を考えると、あまりお薬を使いたくないと思う方も多いと思いますが、あまりにひどい頭痛で何もできない..という時には鎮痛剤の力を借りるのも手です。
よく耳にするロキソニンは、お腹の中の赤ちゃんの腎臓の機能への障害や尿量が少なくなること、羊水が少なくなる可能性について指摘されています。
それに対してアセトアミノフェンという種類のお薬は、赤ちゃんへの影響が少ないことがわかっています。
一日に飲める量が決まっていますので、自己判断での購入は避け、妊婦健診を受けている病院で、相談してみてくださいね。
また血圧が高くなることで頭痛がする方もいますので、頭痛がひどい時にはあわせて病院に相談してみましょう。
つわりの時期、他にもこんな症状があったよ!とかこういうときはどうしたらいいの?など、あったらぜひ教えてください♪
今つわりでしんどい思いをしているママに、届きますように。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。
妊娠何か月だと何週なの?★7か月~10か月編★
みなさんこんにちは★助産師のたまです。
妊娠週数の数え方、最終章です。さっそく見てみましょう♪
妊娠7か月(24週0日~27週6日)
妊娠24週から、妊婦健診が2週間に1回になります。
お腹が大きくなるにつれて、腰痛や胃もたれ、むくみ、こむら返り(足をつること)などのトラブルが増えてきます。
骨盤ベルトを装着すると大きくなったお腹を支えてくれるので、腰痛が楽になることがあります。締め付けがきつすぎるものやお腹が張りやすい時には避けた方が良いでしょう。
妊娠8か月(28週0日~31週6日)
お腹が大きくなり、張りやすくなる時期です。
頻繁なお腹の張りがあって、座ったり横になってもおさまらないことが続くと、早産になってしまうことがあります。
お腹を触って硬かったり、子宮がきゅーっとする感じがある時には無理せず休みましょう。
だんだん思うように動きにくくなってくる時期です。
今のうちに赤ちゃん用品を揃え、赤ちゃんが過ごすスペースを作っておくとGoodです。
妊娠9か月(32週0日~35週6日)
産休に入る方は、この頃からお仕事がお休みになります。
大きなお腹でお仕事を続けることは、体力的にも精神的にも辛いこともあったでしょう。まずは頑張った自分を褒めて、ゆっくりと過ごす時間をとってくださいね。
「息をするだけで体重が増える」と言われるほど、体重が増えやすい時期になります。
切迫早産の診断がなく張り止めを飲んでいない方は、散歩やヨガなどゆったりと運動するのもおすすめです。
赤ちゃんが産まれるにはまだ早い時期です。お腹が大きくなるにつれて、張りやすくなりますが、休んでもおさまらなかったり張りに伴ってお腹が痛いとき、出血がある時には受診しましょう。
思いがけず早産となる方もいますので、そろそろ入院準備を始めておくと安心です。
妊娠10か月(36週0日~お産まで)
妊婦健診は1週間に1回になります。
いよいよ妊娠期間も終盤です。
少し動くと息切れしたり、大きくなった子宮で胃が圧迫されて胃もたれや胸焼けしやすい時期です。
仰向けで寝るのは難しくなるので、クッションや授乳クッションで横向きになって楽な姿勢を見つけましょう。
お産にむけてイメージトレーニングをしたり、入院の準備や入院するときのシミュレーションをしておきましょう。
今日もすべてのママと赤ちゃんが穏やかに幸せに過ごせますように。